こんにちは。管理部のマツオです。
しつこく更新、イタリア旅行記 最終回です。
さて、交通機関のゼネストにも負けず、汗と涙とちょっぴりの奇跡で、無事にシラクーサに到着。
このシラクーサという町は、紀元前にギリシアの植民都市として栄えたために、
ものすっごくたくさんの古代ギリシア時代の遺跡と遺物があります。
そのネアポリ考古学公園内のギリシア劇場で、古代ギリシア悲劇を観劇する。
これが今回の旅行の目玉でした。
Teatro Greco 普段はこんな感じ。こうやって見ると只の遺跡ですが・・・
今日はこんな感じ。座布団が敷いてあって、座席番号が印刷されてます。
演目は、アイスキュロスの「テーベ攻めの七将」。
古代ギリシアの都市国家テーベの王家3代に渡る悲劇3部作の最終話です。
テーベ王ライオスは、アポロンの神託に逆らって結婚し、息子をもうけますが、今度はその息子に殺されるという予言をされ、息子オイディプスを捨てます。
自分の出自を知らずに育ったオイディプスは、山道で些細な諍いから老人を殺してしまいますが、それは実はお忍びで旅をしていたライオスでした。
父親を殺したとは露知らぬオイディプスは、その後テーベの町を困らせていたスフィンクスを倒し、テーベに英雄として迎え入れられ、未亡人である王妃イオカリテ-つまり自分の母親と結婚し、テーベ王となります。
二男二女をもうけ幸せに暮らしていましたが、やがて自分の出自を知り、父を殺し母を娶った忌まわしい人物としてテーベを追放されます。
「テーベ攻めの七将」では、残されたオイディプスの息子たちが王位を争って、別の都市国家アルゴスを巻き込んでの戦争になり、最後は相打ちで両方とも死んでしまって、テーベ王家3代の悲劇は完結します。
もちろん全編イタリア語。
面白がってチケットを取ったものの、私も友人もイタリア語は全くダメ。
分かるんかいな~と不安だったのですが、これが意外と理解できました。
何と言っても古典!原作の日本語訳というものが存在します。
すごく古い出版の岩波文庫だったために探すのに苦労しましたが、友人がAmasonで、本体価格1円 送料400円で入手。
それを読み込むこと2回。何事も予習は大事です。
あらすじと人名を頭に叩き込んでいたおかげで、意外とついていけました。
むしろ案内のお兄さんの勧めで借りた英語のイヤホンガイドが、めっちゃ棒読みでかえって邪魔になったくらいでした。
イタリア語のセリフは抑揚が大きくて、役者さんが朗々と歌い上げるように話すのがとても美しく、言葉の意味が分からなくても舞台に引き込まれます。
書いたものを読むよりも耳で聞く方が合っている、本当に演劇やオペラに向いた言語なんですねえ。
周りを見渡すと海外からの観光客らしい人も多く、100%セリフを理解して観ていたのは6~7割くらいではないかと思います。
そのせいか、面白いことにこの舞台は、写真もビデオも撮影が黙認状態。中にはハンディカムを膝に構えてる人もいました。
ネアポリ考古学公園の自然を借景に、日没直前から夜になっていく空も演出になって、素晴らしい舞台でした。
この古代演劇の公演は、毎年5~7月の2か月間、演目を変えて渡って行われ、今年で53回目だそうです。
古典なら予習が効くので、また行きたいなあ。
今回の旅行でも、いろいろな経験が出来ました。
本当に、旅というのは人生の肥やしだなあと感じます。
会長、社長をはじめダイフィルの皆様、本当にありがとうございました。
また行かせてくださいね。
というわけで、次の旅行に向けて、お仕事に頑張りますマツオでした。
長らくのお付き合い、ありがとうございました。
Chao!