単純計算すると、年中無休の店舗では1年間に家庭の365日分に相当する油汚れが蓄積されることになります。外観が汚れていれば、内部はそれ以上に汚れていることがほとんどです。ダクト内に油やホコリが溜まると、排気性能が低下して煙たくなったり、最悪の場合、ダクト火災が発生したりする可能性があります。ダクト火災は、厨房などの排気ダクトに油汚れやホコリが溜まり、そこに焼き物の煙や熱気が触れることで発生する火災です。ダクト内部の油汚れやホコリは目視できないため放置されやすく、ある日突然火災が発生するのが典型的なパターンです。ダクト火災は年間で約40件発生するといわれおり、約9日に1回のペースで飲食店が被害を受けている計算になります。

飲食店の火災原因で放火を除くと、ダクト火災が全体の75％(4軒のうち3軒)を占めています。